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『百英雄伝』をやった

ゲーム『百英雄伝』のゲーム画面のキャプチャ。きれいな3Dグラフィックの背景の中に2Dドット絵のキャラクターが立っている。いわゆる HD-2D な世界観。

百英雄伝 というゲームをクリアしたので感想を書きます。
記事の途中からネタバレを若干含む話をします。その箇所では事前にネタバレありと記載しますが、全く情報を入れずにこれからプレイしたい方は冒頭から読まないことをおすすめします。

ちなみに百英雄伝というゲームは、幻想水滸伝シリーズを手掛けたスタッフが再集結して作った作品で、幻想水滸伝シリーズの作風を踏襲している。
ただ僕は幻想水滸伝シリーズをプレイしたことがないので、そういう文脈をまったくわからない立場の感想ということになります。

プレイ記録

1週目クリアまでのプレイ時間としては50時間でした。
短めに思えるかもしれませんが、実際にはやりこみ要素があったり、全キャラ集めたりだとか、徹底的にやろうと思えばこの倍は遊べると思います。僕は普通に1周して満足してしまいました。

前日譚としての『百英雄伝 Rising』

百英雄伝がリリースされる前に、百英雄伝 Rising というアクションゲームがリリースされています。
この作品は百英雄伝の前日譚という位置づけで、本編のちょっと前の時系列のストーリーが描かれていて、本編にも登場する3人のキャラクターが主人公になります。
このゲーム自体、アクションの手触りがとても良くて気持ちよくプレイできるゲームでしたが、なによりこのゲームの主人公である3人が本編で登場したときの嬉しさが完全にアベンジャーズ的なそれでなかなか興奮できたので、時間があるのであれば百英雄伝 Rising からやるのをオススメしたい。

ただ実際はやってなくてもストーリーがわからなくなるとかは全然ないので、急ぎたい人は本編だけで良いと思います。

感想

ここからはこのゲームをやった感想をいくつかの軸で書いていきます。

グラフィック

いわゆる HD-2D の世界観で、3D の綺麗な背景の中で2Dドットのキャラクターが動いている。
画面の中心にピントがあっていて、奥の方は常にブラーがかかっている感じになっていて、それが良い感じの雰囲気を出している。

百英雄伝のゲーム画面。家の灯りがきらきらしている夜の街。

街やダンジョンの中はこの HD-2D の世界観がめっちゃ良く活かされていて、改めて HD-2D って本当に平成世代の人間には刺さるよなあというのを感じた。

ただフィールドに出てしまうとちょっとチープさを感じてしまった。フィールドの中に街やダンジョンが点々と置いてあるんだけど、それ以外が基本的にはだだっぴろい自然があるだけという感じで、フィールドに置かれているオブジェクトもあまり多くはないので殺風景に見えた。
なのでフィールドを歩く楽しみみたいなのはあんまりなかったかも。

まあ途中からはファストトラベルのおかげでフィールドを見る機会がなくなるので、そんなに重視しておらずコストをかけていないというのもあるのかも。

ストーリー

ここからはストーリーに触れるので若干のネタバレっぽくなっちゃうので、嫌な人はここは飛ばして次の「ゲームシステム」のとこから読んでもらうのが良いかも。

ストーリーは古き良き JRPG という感じで胸が熱くなる展開が様々用意されている勧善懲悪ものという感じ。

帝国と同盟軍が対立していて、主人公は同盟軍側にいて帝国による支配と戦っていくっていうよくある感じの話なんだけど、まあ特にひねりがあるわけでもないのでまっすぐ王道をやっている。
とはいえ別に退屈っていうわけでもなくて、なんせ登場人物の数が尋常じゃなく多いのでいろんな側面からストーリーを眺めることができて楽しい。

ただ一つ微妙に感じたのは、オルドリック公爵っていうのが敵のボスなんだけど、この敵キャラにあんまり深みがなかったように感じた。
CV が中田譲治さんでめちゃくちゃ良い声で話してくれるので一見すごく深みのある感じに見えるんだけど、結局は私利私欲で支配を広げたいだけだったように見えてしまった。魔導レンズっていうこの世界の力の源的なやつがあって、これを能力あるものだけが使える現状から誰しもが平等に使えるような技術にしたいっていう素晴らしいっぽい言説を語ったりするんだけど、それも結局は自分の支配のためっぽいように描かれてた。
なのでこの敵キャラがとても浅い人間に見えてしまって、ドラマがないな…という感想を持った。

このオルドリック公爵に仕えるアインリッヒという将軍がいて、このキャラの CV が梶裕貴さんで演技がめちゃくちゃ良くて引き込まれるし、このキャラはすごくまっすぐな人っていう印象を受けたのでもっと深く描いてほしかったんだけど、そんなこともなく途中で戦線離脱してしまうのでそれも残念だった。

百英雄伝のゲーム画面。中国の豪邸っぽい雰囲気の場所で主人公が立っている。

ストーリーに関してまとめると、そんなに深みがある話ではないが王道のストーリーで友情・努力・勝利を味わえるって感じ。

ゲームシステム

仲間にできるキャラクターが120人くらいいて、そのうち戦闘で使えるキャラクターは多分100人くらいいると思うんだけど、その中から6人(サポートキャラを入れると7人)選ばなきゃいけないので、パーティ編成を考えるのがなかなか楽しかった。
ただそのうちストーリーにちゃんと関わってくる人っていうのは実はそんなに多くないので、ストーリーに大して絡まない人をパーティに入れる心苦しさみたいなのと戦わなきゃいけなかったのはもうちょっとなんとかならんのかなというのは思った。ストーリーに深く絡まないプレイアブルキャラ一人ひとりの深堀りがサブコンテンツの資料としてしかされないのがぐぬぬという感じ。

ただそれぞれのキャラが個性があって、よくある職種っぽいキャラはもちろんいるけどそのかたわら、例えば魔法少女とか忍者とかサムライとかネクロマンサーとかプロレスラーとか、あとはサメ人間とか骸骨人間とか獣人とか、普通のドラゴンとかグリフォンとかもいたりする。
なのできっと誰かしら好みに合うキャラがいるんだろうなとは思う。ちなみに僕はリャン・イーシャ・レイナ・ミランの4人が大好きです。

戦闘に関しては、これも古き良き JRPG という感じで普通のターン制コマンドバトルになっている。
僕は難易度ノーマルでプレイしたんだけど基本的に敵が弱いので何も考えなくても雑に強い技を使い続けていれば勝てるので、特に戦闘面で工夫をする必要がなくて、本当にキャラの好みだけでパーティを組んで攻略を進めていた。
これはまあ多分良いことで、きっとハードにしたらちゃんと戦略を考えなきゃいけなくなると信じているので、そういう意味では良いバランスなんじゃないだろうか。

あとは戦闘では英雄コンボというのがあって、特定のキャラ同士がパーティにいると連携技を使うことができるんだけど、これがまあなんというか単純に威力が高くて強いではあるんだが組み合わせがわりとシンプルというか。
例えば兄妹コンボとか、魔法使いコンボとか、ぱっと見であるだろうなっていう組み合わせばかりなので、こんな組み合わせが…!みたいな発見の楽しさみたいなのは特になかったように思う。

そして「おまかせ」というシステムがあって戦闘を全自動で進めることができて、おまかせモードにしているときの各キャラの行動優先順位みたいなのも決められるので、これを良い感じに設定してしまえば全編通しておまかせで戦闘を進めることができてしまうので、正直僕は戦闘始まったら基本スマホを見る、みたいな感じになってしまっていた。
ボス戦だけは楽しみたいので自分でコマンド選択をしてた。

という感じで良い点もあるんだけど、基本的には戦闘はパーティ編成までが楽しくて実際に始まると退屈感がいなめない感じでした。

ミニゲーム

このゲームはベーゴマとカードバトルっていうミニゲームがあるんだけど、正直これはいるのだろうか…という気持ちが強かった。

ベーゴマは敵を倒すとたまにドロップするベーゴマがあって、強い敵だと強いベーゴマを落とすのでそれで良い感じのベーゴマを3つ集めるんだけど、ベーゴマバトルはボタンを連打していれば勝てるのであまり戦略性がなかった。
カードバトルの方はひたすらにお金を貯めてカードパックをたくさん買って、あとは簡単なルールを覚えたら強いカードをデッキに入れていって強い効果のカードを押し付けるというだけの感じで、こっちもまた特に戦略性があるわけではなかった。

特にやる必要がないミニゲームだったんだけど仲間を増やすためにやらなきゃいけなくてわりと苦痛な時間になってしまっていた。
もう少し戦略性を作りこむか、いっそのことミニゲーム要素はなくすか、どっちかに振っても良かったんじゃないかという気持ちになっちゃいました。

不満点

ここまでで色々楽しいところもちょっと気になったところも書いたんだけど、購入を考えている人に絶対言っておきたいことがあって、Nintendo Switch 版を買ってはならないということですね。

僕は最初 Nintendo Switch 版を買ったんだけど、とにかくロードが長くて、例えば戦闘になるたびにロードが10秒弱くらい挟まるとか、マップの移動にめっちゃ時間がかかるとか、あまりにもテンポが悪くて継続を諦めようかな…ってなっちゃったんだけど、YouTube で PS5 版と Switch 版を比較している人がいて、PS5 版ではロードがめっちゃ早かったので僕は PS5 版を買いなおしました。
多分ロード時間の違いでこのゲームの評価がめっちゃ変わると思うので、なんとしても Switch 版は避けるべきだと思う。

あとこれは人によるとは思うんだけど、ランダムエンカウントバトルのゲームつらいなってなってしまった…。
アイテム探索したいときに敵が出てだるいとか、経験値稼ぎたいときに思ったより敵が出なくてだるいとか、なんかそういう感情がゲームプレイを楽しむのを妨げてしまっていた感があって、これは僕が現代のゲームに慣れすぎてぬるくなってしまったんだろうか…という気持ちになった。
もちろん装備やサポート仲間の工夫でこのあたりの調整ができるようになってるんだけど、そのあたりもわりとめんどくさい仕様が多くてぐぬぬという感じ。

まとめ

楽しかったです!
楽しかったんだけど、1週目で仲間全員揃えることができなくて不完全燃焼ではあるんだけど、2週目やって全部回収する気になるかというと、僕はもういいかなというところ。

多分僕が幻想水滸伝を通っていないというところに、このゲームを最大限に楽しみきれない原因があると思うので、幼いころにもっと幅広く手を出していれば良かったなあという気持ちになりました。おわり。